平成29年度事業の総括

 

平成29年度の大きな事業は、8月に第16回岩手県ボーイスカウト野営大会を釜石市水海総合公園・愛の浜を中心に開催したことでしょう。

   スカウトは資格を有するインストラクターの指導の下、シーカヤックやシュノーケリングなど海のプログラムを中心にチャレンジし大きな達成感を得たようです。 また、沿岸地区の指導者や懐かしい方々も見えられ、久しぶりに友情を温める事ができました。 関係者の皆様の物心両面にわたるご協力に感謝申し上げます。

  震災から7年目を迎えた沿岸地区では、指導者等の生活再建を優先しつつも釜石でボーイスカウト講習会を開催し、徐々に活動を展開しようとの雰囲気もあります。しかし、一方で未だ団員募集、隊集会など具体的な活動に至っていない団もあります。被災団の活動再開を心から祈りつつ、主な事業等について報告し平成29年度事業の総括といたします。

 

1 組織拡充(加盟登録)について

 

本連盟の年度末の加盟登録数は11個団、427名と登録数において昨年度末より37名増加し、全国で唯一3年連続での加盟員増となりました。これは盛岡第5団等の追加登録によりビーバー、カブ部門で増加したことが大きな要因となっています。

  全国的にも、ビーバー隊を擁する団の加盟員数の維持・増加の傾向が見て取れます。 県内全ての団にビーバー隊を設置し、スカウトの増加と活動の普及を図ることが期待されます。 団再生の原動力となるビーバー隊の設置と中途退団防止に取り組む必要があります。

   組織拡充委員会では、団の都合に合わせて団訪問を実施し、入団説明や団運営等の相談に応じています。 2月には県連盟コミッショナーと組織拡充委員長が事前登録審査を行い、各団の状況を把握すると共に、今後の団運営対策等について協議し支援を行いました。これらの県連事業に参加されない団の活性化が不可欠です。

 

2 青少年プログラムの提供について

 

平成29年度は、岩手県ボーイスカウト野営大会を始め、各種県連主催事業、ローバースカウトの海外派遣など皆様のご理解とご協力により大きな成果を上げることができました。

    今後とも各種大会や県連主催事業等を通じて多様な交流と親睦を図り、各団・隊の活性化、スカウトの進歩、指導者の資質向上に貢献できるよう取り組みたいと思います。

 

 

 

(1) 県連盟主催事業等

 

  16回岩手県ボーイスカウト野営大会等

 

8月、釜石市水海総合公園でボーイスカウト野営大会を開催。 シーカヤックなど海のプログラムを展開し、大きな成果をあげました。

また、この大会の期間中、従来の「カブ・ビーバーラリー」を「ビーバーラリー」、「カブラリー」としてそれぞれ分離開催するなど、県内スカウトの交流を図るとともに、文科省が提唱する「生きる力を育む」野外体験活動を実施し保護者と一緒に楽しみました。

 

  防災キャラバン

  9月には日本連盟が推進する防災キャラバンをイオンタウン釜石で開催し、防災や減災に関する展示や実技訓練等を  

 通じて「そなえよつねに」について市民と共に考えることができました。 

  また、一般市民に対してもスカウト活動の写真展示等を行うなどスカウトの社会貢献等についてもPR活動を展開し 

 ました。

 

 ③スカウト・スキル・フェスタ

  11月には、北上市「憩いの森」をフィールドに「スカウト・スキル・ハイキング」を実施。 特筆すべき点は、北上 

 市内をフィールドとして現地の事前調査を行いながら実施計画を作成するなど積極的な取り組みの結果、スカウト活動

 の一層の展開を図ることができました。 

 

(2) 第5回インターアメリカン・リーダシップ・トレーニング派遣

5th Annual Interamerican Leadership Training

 

 釜石第2団のローバースカウト(千葉恵=大学3年)は、エクアドルのキトで開催されたローバー年代対象のリーダ
シップ・トレーニングに参加。内容は次のとおりです。

 

 インターアメリカスカウト委員会(Interamerica Regional Committee)が主催する今回の行事は、18歳以上~25歳以下

ローバースカウトを対象に各国で将来が期待される青年を育成するため開催されました。日本連盟では全国ローバース

カウト会議(RCJ)の運営委員より男女各1名を選出し、日本代表として派遣しました。

 

  期 間:平成291228日(木)~平成30年1月3日(水)

     場 所:エクアドル キト

     対象者:18歳以上~25歳以下のローバースカウトで所属国連盟に将来寄与する可能性を持つ者で、日常会話程度の英

    語の理解力のある者

     期待されること:トレーニングに参加した参加者は、-6日間のトレーニングを終え、リーダシップスキル向上、そ

    して実践できる。

          -コミュニケーション能力が向上できる。

          -ネットワークを通じて、様々な情報を得られる。

          -自国に戻り、習得した情報を共有できる。

          -メッセンジャーオブピースを自国に伝達する。

 

3 指導者養成について

   4月の県連年次総会において新たに指導者養成委員会の設置が承認され、今後の指導者養成計画や指導者養成機関の開

  設、トレーニングチーム要員の育成等について検討・協議を行いました。

      トレーナー養成では副リーダートレーナー1名が研修を修了し、新年度から4人体制でボーイスカウト講習会などの

  定型訓練や個別支援などが実施できることとなりました。 また、盛岡地区、沿岸地区では地区コミッショナーを中心

  に毎月地区ラウンドテーブルを開催し、指導者間の意思疎通を図りつつ指導者養成に努めています。

 

4 東日本大震災支援事業について

    「遊びのひろば」の開催(県連主催事業)

      当連盟では、震災直後から被災地での遊び場の提供を目的として「遊びのひろば」を実施し、これまでに沿岸地区を

  中心に10数回の「遊びのひろば」を開設してきました。今年度はスカウトの加盟員増員も視野に入れ9月に紫波町で開     催し発団に向けた広報活動を展開することができました。

    また、10月には釜石市において実施し児童や保護者等から大変喜んでいただきました。未来を担う子どもたちの健全

 育成は何事にも代え難いことと痛感しています。

  今後とも各地方自治体や教育委員会を始め関係機関・関係団体との一層の連携を図りながら、子供を取り巻く健全な

 環境の創出に努力してまいります。